アトピー性皮膚炎のステロイド外用薬

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、かゆみや赤みをともなう湿疹・ぶつぶつが出ることが特徴で、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です。湿疹・ぶつぶつは、目周りや口周り、唇、頬、額、手足の関節、背中や胸などに現れます。これらは左右対称の傾向があり、年齢とともに肌トラブル症状の部位が変化していきます。

アトピー性皮膚炎の原因

誰にでも起こりうるじんましん(蕁麻疹)かぶれ(接触皮膚炎)とは違い、アレルギー体質の人に起こりやすい皮膚の病気です。

また、アトピー性皮膚炎の肌トラブルを抱えている人の肌は、乾燥していて刺激を受けやすいことが知られています。

皮膚の外側の角質層を形成する角質細胞同士は、「角質間細胞脂質」と呼ばれる親油性の両親倍性化合物でつながっています。この角質細胞間脂質の約半分が「セラミド」という成分で、この成分が角質層の水分を保持してバリア機能を高める働きを担っています。

アトピー性皮膚炎で悩んでいる人の多くは、もともとこのセラミドが不足していることが知られています。その結果、肌が乾燥して角質層のバリア機能が低下し、触ったり、こすったり、汗をかいたりなど、ちょっとした刺激に対しても赤み・ぶつぶつをともなう炎症性の肌トラブルを起こしてしまうわけです。

アトピー性皮膚炎の症状の度合いは、気温や湿度の変化、汗やほこりなど様々な要因で敏感に変化してきてしまいます。手、肘、膝、顔、足は日常的に汗をかいたり、こすったりなどの刺激を受けやすいため、赤み・ブツブツ(湿疹)をともなう肌トラブルが発症しやすい部位といえます。

精神的なストレスもアトピー性皮膚炎の症状を悪化させます。アトピー性皮膚炎は、以前は乳幼児に多い病気とされてきましたが、最近では大人になってから発症する事例が急増しています。成人のアトピー性皮膚炎と精神的なストレスは深く関係していると考えられています。

例えば、人間関係や仕事などのストレスが原因で、急激に症状が悪化する事例が多数報告されています。イライラした精神状態でいると、湿疹を掻きむしってしまい、どんどん赤み・炎症がひどくなって痒みが増します。そしてその痒みから逃れるためにまた肌トラブルが生じている部位を掻きむしるという悪循環に陥ってしまうのです。

アトピー性皮膚炎の治療法

アトピー性皮膚炎を治療する上での本質は、アレルギー体質の改善や、角質層のバリア機能改善による刺激に強い肌を育んでいくことですが、先ずは当面の赤み・ぶつぶつのような肌トラブルに起因する「痒み」を抑えることが先決で、ステロイド外用薬を利用した対処療法がとられます。

ステロイド外用薬で急激な症状を抑えた上で、食生活や生活環境の改善(アレルギー物質を遠ざける)やバリア機能を高めるためのスキンケア(刺激に強い肌を育む)を行うことに加えて、最近では、メンタルケアの重要性が注目されてきています。

まとめ

特徴

アトピー性皮膚炎は誰にでも起こるわけではなく、「体質的素因(アレルギー体質)」と「角質層のバリア機能が弱くなっている状態」が複雑に組み合わさって起こります。これら2つをアトピー素因と呼ぶこともあります。

健康な肌

角質層のバリア機能が十分にあり、アレルギーを持っていない正常な肌の人は、多少の強い刺激でも刺激を受けることはありません。

トラブル肌

水分を保持する役割を担う「角質間脂質」が少ないため、角質層のバリア機能が低下している。このため、異物・刺激に対する防御機能が十分でなく、赤み・ぶつぶつをともなう炎症を起こしやすい。

原因

ご家族にアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などアレルギー関連の既往歴がある人はアトピー性皮膚炎の体質的素因を保有している可能性があり、アレルゲンの引き金となるIgE抗体というタンパク質を体内で産生しやすい体質であることが懸念されます。

体質的素因を保有している場合、汗や掻きむしりなどの軽い刺激をきっかけに肌トラブルを起こしたり、ダニや花粉、食物によるアレルギー反応を起こしたりしやすくなります。また、石鹸や洗剤、ストレスなどにより赤み・ブツブツのような肌トラブルが発症しやすくなります。

体質的素因はアトピー性皮膚炎に対して不利ではあります。しかし、このことに悲観するのではなく、適切なスキンケアを意識して角質層のバリア機能を高めるなど「前向きな気持ち」でアトピー性皮膚炎に抗じることが大切です。

美容資格ライター