
はじめに
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、街中に一気に人が増えてきています。まだまだ日々の寒暖差はありますが、太陽の照り付けは容赦なくなってきた感があります。
こうなると、美容ネタも必然的に紫外線対策(UVケア)と美白ケア関連が頻出してくるというものです。
ところで、紫外線ケアと美白ケアをほぼイコールに思われるかもしれません。これは間違いではありませんが、私自身は、スキンケアを語る際、前者をパッシブホワイトニング、後者をアクティブホワイトニングというように、切り分けることが多いです。
本日のトピックはパッシブホワイトニング、即ちUV対策に関するものです。
日焼け止めガイドライン
数年くらい前になりますが、NEWS JAPANが、英国研究機関の検証レポート「日焼け止めクリームの正しい塗り方、放置すると効果は半分以下に」をネット配信したことがあります。
以下はその概要です。
日焼け止めクリームは正しく使用されないと、その紫外線カット力は期待されるレベルの半分以下になってしまうことが、キングズ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)の研究から明らかになった。
このような研究を真摯に実施している研究機関があることには驚きましたが、検証レポートに記載されている内容は、「まさにその通り」なことばかりです。
公益社団法人日本皮膚科学会も、日々のUVケアに関し、SPF30程度の日焼け止めを日常使いすることを奨励しており、この日常使いの方法は、ロンドン大学による検証レポートの内容とよく一致しています。
日焼け止めクリームに関する日本皮膚科学会のガイドラインは以下のような内容です。
- 日焼け止めクリームは意識して厚塗りすること(塗布量の目安は1cm2当たり2mg)。
- 日焼け止めクリームは2時間から3時間ごとに塗り直すこと。汗などで落ちてしまった場合は、この目安時間に関わらず塗り直すこと。
現実的なUVケア
実は、UV対策のスキンケアとして、多くの人がこのガイドラインを遵守していません。1cm2当たり2mgという数値、実際に試してみると相当にベタつきます。そして、使用感に難があると長続きしません。紫外線ケアは毎日の積み重ねが大切な「マラソン」のようなスキンケアであることを考えると、本末転倒な気がします。
そこで、日本皮膚科学会がSPF30相当を推奨していることは承知の上で、私はSPF50或いはそれ以上の日焼け止めクリームを普段使いにすることをアドバイスしています。これなら、正しく使えていなくても(使用量が若干少なくても)それなりのUVカット力を発揮してくれるからです。
稀に「SPF値やPA値の高い日焼け止めクリームを使うと肌負担が大きいのでは?」とご心配される方もいます。もっともな心配ですが、日焼け止めクリームによる肌負担よりも、紫外線に由来する肌負担の方がより大きいことを考えると、ある程度の「割り切り」は必要なのではないかと私は考えています。
最近では、肌負担を考慮しつつ高SPF値と高PA値を担保している日焼け止めクリームもインターネットやドラッグストアで市販されていることから、何種類かサンプリングすれば、きっとご自身に合うものが見つかると思います。
最後に
肌老化の80%は加齢によるものではなく、紫外線に起因するのですから、紫外線対策に主軸を置いたスキンケアは、女性はもちろん、男性も意識するべきです。
人生50年時代であれば、このようなことを考える必要もなかったのかもしれませんが、今は、平均寿命が80歳を超えており、これはまだまだ伸びるのではないかとも言われています。その分、肌とお付き合いも長くなりますし、せっかくお付き合いするのですから、できるだけ健やかで美しい肌状態をキープし続けたいものです。
美容資格ライター
- 名前 :工学博士 中浜数理(Kazumichi Nakahama, Ph.D.)
- 肩書 :一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
- 美容資格:認定スキンケアアドバイザー
:認定スキンケアカウンセラー
:認定講師 - その他 :由風テクノロジー株式会社 代表取締役CEO
:由風BIOメディカル株式会社 代表取締役COO・CTO
:一般社団法人日本再生医療学会 正会員
:特定非営利活動法人日本免疫学会 正会員
:公益社団法人高分子学会 正会員
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